2012年1月7日土曜日

フルサスペンションMTBを考えてみる

最近はめっきりMTBの主役となった、前後にサスペンションを備える乗り物、通称フルサス。

その機能は言わずもがな、悪路の走破性を高めるためである。
その肝となるサスもさることながら、フレームによってリンクの動きからその性能は大きく変わってくる。
ちょいとそれらの考察を行ってみる。

・その1 ホイールセンター収縮方向の動き
参考画像はYetiCycles 303R-DH。
収縮方向のホイールセンターの動きを書き込んでみる。
この方向に動くことにより、路面のギャップを拾い乗車姿勢を一定に保つ。

・その2 サスペンション収縮方向の動き
収縮方向のサスの動きを書き込んでみる。
ホイールセンターの動きと比較し、リアはリンクを介してその方向を大きく変えているのに対し、フロントは全く同じ動きをしている。


・その3 サス、ホイールセンター伸長方向の動き
伸長方向のサス・ホイールセンターの動きを書き込んでみる。
その1の伸縮、その3の伸長の動きを合わせてギャップを拾う。
また後方に伸びる伸長のベクトルがあることにより、ギャップを超えたときに加速につながる動きとなる。これによりペダリングロスも減り、フロントを押しつける動きを生み出し、前後のトラクションを生む。


これだけ複雑な動きをするフルサスMTBは、セッティングが出ていない場合は最悪の乗り物になる。前後のバランスが悪ければ目標とする性能が引き出せないばかりか、グリップが簡単に抜けるようになり、重い車体を持て余し簡単に破綻する。

この際に気を付けるべきは、下方伸長方向の動きもさることながら、後方伸長方向の動きが物を言う。上下方向の動きは平地でも伸縮運動からバランスを導きだすことは難しくない。しかし、後方伸長方向のセッティングは平地のセッティングだけではなかな出せないし、自分も感覚的なところからしかセッティングを出せていない。

この後方伸長方向の動きに焦点を当てることは、前後グリップの向上に大きく寄与し、バイクの性格を大きく変える。

バイクを大きく前に押し出す動きは、フロントグリップを大きく向上させるのだ。

SB-66を導入し強く思ったのが、この押し出されるようなリアサスの動きであった。
今までそこまで意識していなかったが、このセッティングができれば303R-DHも進化できる可能性が見えてきたのである。

今までは破綻を恐れ入力方向のみに焦点を当て、出力方向はニュートラルな安心設定を標榜してきた。でも303R-DHにもさらに化ける可能性が見えてきた以上、攻めたセッティングを導いてみたいのがオーナー心。

セッティングを変えるのは勇気がいるが、3シーズン目を迎えるにあたり攻めてみようと思う。

怪我はしないように、少しずつねw

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